
Manlio Rho マンリオ・ロー
1901 - 1957 | イタリア
画家・芸術家
BIOGRAPHY
イタリア抽象絵画を代表する画家。
1901年イタリア北部、コモ生まれ。17歳で絵画を描き始め、ポスターやグラフィックデザインにも取り組みました。1930年代より幾何学的な形態と温かみのある色彩を融合させた独自のスタイルを確立し、同郷の建築家ジュゼッペ・テッラーニらとともに、コモ派抽象主義を牽引しました。
彼の作品はプリズムや多角形の構成に黄金比のバランスを取り入れた、厳格でありながらも心地よい調和を特徴としています。その表現はロシア構成主義の冷たさと、イタリア・ロンバルディア地方特有の温もりが同居するものと評されます。
1940年に初めてヴェネツィア・ビエンナーレに参加して以来、戦前・戦後を通じて同展に出展し、国際的評価を確立しました。1955年にはテキスタイル作品でコンパッソ・ドーロを受賞し、美術とデザインの両分野で活躍しました。
生誕100周年を記念してミラノで大規模な回顧展が開催され、2007年には同じくミラノ王宮で開かれた展覧会「カンディンスキーとイタリア抽象主義」などにも出品されました。彼の作品は現在、多くの美術館や公共コレクションに収蔵されています。
ローは比較的短命で作品数が少なく、コレクターからも強い関心を集めています。彼の未発表作品は2007年にサザビーズ・ミラノのオークションに出品され、当時のイタリアにおけるモダン&コンテンポラリーアートの最高落札記録を樹立しました。
彼の創作は20世紀イタリア美術史に大きな軌跡を残し、今なお高い評価を受けています。

