
Olivier Mourgue オリヴィエ・ムルグ
1939 - | フランス
デザイナー
BIOGRAPHY
フランスの工業デザイナー。
1939年パリに生まれ、エコール・ブールでインテリアデザインを学んだ後、パリ国立高等装飾美術学校で家具デザインの学位を取得します。同時期には、フィンランドとスウェーデンにも渡り、北欧デザインの思想に触れました。
パリ国立高等装飾美術学校での学業の一環として、実物大で設計した椅子をコンペに出品。その椅子を Airborne(エアボーン)社の創業者 Charles Bernard(シャルル・ベルナール)に提案したところ採用され、1959年に「ジョーカー」というモデル名で発表されます。1960年に卒業後、本格的にキャリアをスタートさせると、ポップアートにも影響を受けながら独自のデザインスタイルを築いていきます。
1963年から65年にかけて代表作となる「ジン」シリーズをエアボーン社から発表。 シリーズの一つである「ジン・チェア」はスタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」(1968年)に登場し、ムルグおよびエアボーン社の名を国際的に高めました。同作は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションに選定されています。1967年には照明メーカーのDisderot(ディデロ)社のためにフラワーランプシリーズをデザイン。可憐な花のフォルムを金属のみで表現する革新的なアプローチで、後にパリのポンピドゥセンターのコレクションとして選定されました。
また、1966年にはフランス政府の依頼により、モントリオール万国博覧会のフランス館設計に参加。1970年にはPierre Paulin(ピエール・ポラン)らと共に大阪万国博覧会のため、サイン・映画館用座席・テーブルなど一連のデザインを担当し、国際的な評価を得ました。
数多くのデザインプロジェクトを手がけたオリヴィエ・ムルグは、近未来デザインのパイオニアとして、20世紀を代表する重要人物の一人として知られています。




