René Gruau ルネ・グリュオー

BIOGRAPHY

20世紀ファッション界の巨匠として知られるイラストレーター。

1909年イタリア・リミニに生まれ、14歳で初めて作品を発表。18歳にはすでにイタリア、イギリス、ドイツでファッション画を発表するなど早くから国際的に活動しました。
1946年から1984年まで雑誌『International Textiles』の全ての表紙を手掛け、1947年にはクリスチャン・ディオールと出会い、香水などの広告を通してブランドのビジュアルを確立。以降その名はディオールと切り離せない存在となりました。


また『Harper’s Bazaar』『Vogue』『Flair』といった一流誌にイラストを提供し、フランスのナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」「リド」のポスター、さらには有名ブランドの広告も数多く手掛け、戦後の華やかなパリを象徴する存在となりました。
1989年以降も、ディオールからジバンシィ、シャネル、クリスチャン・ラクロワに至るまで、オートクチュールの世界は彼のグラフィックを取り入れ続けました。

ルネの作品は、大胆な線と鮮烈な色彩で知られ、帽子や衣装のモチーフを通して女性の魅力を格調高く表現しました。日本美術やコメディア・デッラルテからの影響も色濃く、独自のエレガンスとユーモアを融合させています。
2004年に95歳で逝去後も評価は高まり続け、2010年にはニューヨークのクリスティーズで油彩画が高額で落札されるなど、美術市場でも高い注目を集めています。