そんな風にして汚れてしまったエチオピア伝統のウールラグが、とても簡単にきれいになることに、アンナは大きな驚きを覚えました。一切の化学処理をせず、糸を熱湯と石鹸という原始的な方法で洗うことが天然のラノリンを保ち、カーペットの汚れを落とすことに繋がっていました。それは何百年と受け継がれ、培われてきた、エチオピアの伝統的な製造工程によるものでした。
こうして、真に自然な素材と製法で、フィンランドの自然をインスピレーションに、SERA HELSINKI 最初のコレクションとなるラグのデザインは始まりました。
愛するエチオピアへの恩返し
アンナは、自分が愛する国に恩返しができるような製品を作りたいと考え。長年ラグを織り続けてきたエチオピアの8人の女性たちと共にプロジェクトを始めました。
職人たちは巻き尺の使い方など、デザインラグを作るのに必要な技術を持ち合わせていなかった為、当初は多くの苦労を経て商品開発が行われました。
さまざまな試行錯誤が繰り返されながら、多くの工夫と職人たちの努力によって、プロダクトへ職人が命を吹き込むという歴史的な工程を生かしながら、北欧のミニマルなデザインとが融合したラグが造られました。
障害者との協業、貧困の本質的解決へ
アンナは2016年、エチオピアで SERA HELSINKI を正式に設立します。設立当初から彼女は、エチオピアの最も弱い立場の人々と働きたいと考えていました。
エチオピアでは、極度の貧困にあえぐ人々の5分の1が障害を抱えています。また、アフリカの多くの文化では、障害は非常に差別や偏見が持たれていました。
SERA HELSINKIは、このような人々がコミュニティの才能ある一員であり、美しく、人気のある製品を作ることができることを示したいと考えています。
北欧デザインとエチオピアの伝統的クラフトマンシップの融合によって、社会問題の解決策を
SERA HELSINKI は、デザインへの愛と、より良い未来を創造したいという願いから生まれました。そのルーツは北欧デザインにあり、エチオピアの伝統的なクラフトマンシップとが融合することで、深刻な問題への解決策になると信じています。
革命的なインクルージョン
SERA HELSINKIの職人の多くは読み書きを知らず、彼らが暮らす社会から排除されてきました。
障害を持つ人の不幸な運命は、しばしば路上の乞食となることです。
SERA HELSINKIは様々な団体と協力し、職人たちに技術や人権を教えることで、彼らが地域社会の一員として活動し、力を発揮できるように努めています。
変革のためのデザイン
SELA HELSINKI にとってデザインとは、単なる表面の美しさではありません。優れたデザインは、魅力的で機能的な製品を生み出し、より包括的な未来を創造するツールであると考えられています。
何百年も続くエチオピアの伝統に従いながら、フィンランドを代表する数々のデザイナーが参加することで、時代を超えたデザイン性と伝統的な工法が見事に融合しています。
真に透明な生産背景
SERA HELSINKI 製品の生産背景は、最初から最後まで完全に透明です。彼女達は天然素材とオーガニック素材の原産地を把握しています。
羊の飼育から糸紡ぎ、絨毯の織り上げに至るまで、生産工程全体を注意深く監視しています。その証拠に、お客様にはラグの製造工程を収めた動画や画像が現地から届きます。